19世紀後期の段階では、蒸気自動車とガソリン車に代わる車として電気自動車も選択肢のひとつにありました。
正確な年は不明ではあるものの、1830年代にスコットランドのロバート=アンダーソンが最初に電気自動車の原型を設計したと言われています。

オランダのストラチン教授は、1835年に小型の電気自動車を設計し、助手であったクリストファー=ベッカーがこれを組み立てています。
実用的でもっと成功した電気自動車は、アメリカ人のトーマス=ダベンポートとスコットランドのロバート=デビッドソンの両者によって1841年頃に製作されています。

両者とも最初は再充電できないタイプの電池を使っています。フランスは電池に始まる技術面でこの時代の先導的な役割を演じています。

 ガストン=プランテは、1865年に性能の良い蓄電池を発明しました。そして、彼の同僚のカミール=ファウレが1881年にこれを改良し、自動車用途に採用しました。この改良型の蓄電池が電気自動車の道を切り開く元となるのです。

 この後、フランスとイギリスが1800年代後半の電気自動車の発展と普及に貢献しています。1899年にベルギー人のレーシングドライバーであるカミール=ジェナツィは、自分で設計した小型の電気自動車で時速68マイル(109km)の世界記録を出しています。

一方アメリカでは、1891年にライカーが3輪の電気自動車を作ったり、ウィリアム=モリソンが6人乗りのワゴンを作り始めるようになるまでは電気自動車には関心が向けられず、その関心に火がついたのは1895年以降でした。1897年に最初の商業用途としてフィラデルフィア電気自動車会社によって製作された車は、ニューヨーク市のタクシーの全車両に採用されました。

 1914年までに、約200もの自動車会社がアメリカで自動車を製造しています。製造業者のリストには、すぐに世界的に有名になったパッカードやロコモービル、シンプレックスといった名前も入っていました。

アメリカほど急速にかつ飛躍的に自動車に影響を与えそれを世界に感じさせた国は他にはないのではないでしょうか。アメリカでは急速に自動車がアメリカ式生活の一部になっていきます。道路も次々に建設され、北アメリカ大陸時代の幕開けを支える重要な役割を演じました。

 アメリカの自動車は頑丈で信頼性がありました。また、車体はヨーロッパのモデルよりもずっと大きな傾向にありました。これには2つの理由がありました。
北アメリカは西ヨーロッパに比べ広大で移動距離が長かったので、小さな車の市場がなかったこと。そして、アメリカに導入された自動車税は均一で、ヨーロッパのようにエンジンサイズなどによって変わらなかったことです。